ウォレットでスワップやdAppを使い始めると、操作のたびに「承認(approve)」や「署名」を求められます。とはいえ、その中身までは分かりにくいものです。

「とりあえず承認を押しているけど大丈夫なのかな」「署名詐欺って聞くけど、どう防げばいいの」と不安な方も多いはずです。

結論から言うと、過去の承認を定期的に閲覧して取り消し、署名の中身を読む習慣をつければ、資産が抜かれるリスクは大きく下げられます。

この記事では、Rabbyで今ある承認を確認・取り消す手順と、署名詐欺の主な手口・見抜き方を、実際の画面に沿って解説します。

approve(トークンの承認)とは?

この記事で分かること
  • approve(承認)が何をしているのか
  • Rabbyで今ある承認を閲覧して取り消す手順
  • 署名詐欺の主な手口と、署名前のチェックポイント

approve(承認)とは、スワップやdAppに対して「自分のトークンを動かしてよい」という許可を与える操作です。スワップや預け入れを行うには、この承認が前提になります。

問題になりやすいのは、承認の多くが「無制限(Unlimited)」で求められる点です。一度許可すると、その相手はあなたのそのトークンを上限なく引き出せる状態が、取り消すまで続きます。

承認した相手が安全なら問題はありません。
しかし相手の契約に欠陥があったり、偽サイトに承認していた場合、その権限を使って資産を抜かれる可能性があります。

だからこそ、使い終わった承認や不要な承認は、こまめに閲覧して取り消しておくことが大切です。これが資産を守るいちばん地道で確実な対策になります。

承認の閲覧方法と取り消しに必要なもの

この記事でやること
  • 今ある承認をRabbyで一覧表示して確認する
  • 不要・危険な承認を取り消す(Revoke)
  • 署名詐欺の手口を知り、署名前に中身を読む

作業は大きく3つです。確認する取り消すこれからの署名に気をつける。この順番で進めれば迷いません。

スクロールできます
所要時間約10分
費用取り消し1件ごとにガス代(数円〜・チェーンによる)
用意するものRabby(C1で作成済み)/少額のガス用トークン
使うツールRabby内蔵の承認管理/revoke.cash(補足)

取り消し(Revoke)はブロックチェーン上の操作なので、1件ごとに少額のガス代がかかります。
不要な承認をまとめて閲覧すれば、わずかなガス代でリスクを大きく減らせます。

今ある承認をRabbyで閲覧する

承認の確認に使うツール
  • Rabby内蔵の承認管理:別サイトに接続せず、ウォレットの中だけで一覧・取り消しが完結する
  • revoke.cash:多くのチェーンに対応した定番サービス。Rabbyで見つからない承認の確認に使える
  • どちらも承認の一覧表示と取り消し(Revoke)に対応している

今回は、まずRabby内蔵の承認管理で閲覧します。別のサイトに接続する必要がなく、ウォレットの中だけで完結するので安全だからです。

Rabbyで対応しきれない場合の補足として、後半でrevoke.cashも紹介します。まずは今ある承認を一覧で見るところから始めます。

STEP
ホーム画面から「承認」を開く
Rabbyのホーム画面で操作ボタンの承認をタップする画面

Rabbyのホーム画面を下にスクロールし、操作ボタンの中にある「承認」をタップします。
ここから今あるすべての承認をまとめて確認できます。

STEP
確認したいアドレスを選ぶ
Rabbyの承認事項画面でアドレスごとの承認件数を表示

アドレスごとに承認の件数が表示されます。
「2 承認事項」のように件数が付いているアドレスをタップします。

STEP
承認先(コントラクト)の一覧を確認する
Rabbyの承認一覧でUniswapなど承認先コントラクトを表示

「Uniswap V4」「Uniswap Permit2」のように、どこに何件の承認を出しているかが並びます。
もう使っていないサービスや、心当たりのない相手が取り消しの対象です。

すべての無制限承認が危険というわけではありません。普段から使う信頼できるサービスは残してかまいません。判断の基準は次のとおりです。

  • もう使っていないサービスへの承認 → 取り消す
  • 心当たりがない・名前が分からない相手 → 取り消す
  • 一度きりの操作で使ったサービス → 取り消す
  • 毎日のように使う信頼できるサービス → 残してよい(不安なら使うたびに承認する運用も可)

不要・危険な承認を取り消す(Revoke)

取り消したい承認が決まったら、いよいよRevoke(取り消し)です。取り消しはブロックチェーンへの書き込みなので、署名とガス代が必要になります。

方法1|Rabbyで取り消す(基本)

まずはRabbyの承認管理から、その場で取り消す方法です。別サイトに接続しないぶん、もっとも安全に進められます。

STEP
承認先を開いて、取り消すトークンを選ぶ
RabbyでUniswap V4の承認詳細を開きARBの無制限承認にチェック

承認先を開くと、許可しているトークンと許可額が出ます。例ではARBが「Unlimited(無制限)」で許可されています。

取り消したいトークンにチェックを入れ、下の「取り消す」をタップします。
複数あるときはまとめて選べます。

STEP
内容とガス代を確認して実行する
Rabbyで取り消しのガス代を確認して確認ボタンを押す画面

取り消す内容とガス代が表示されます(例では1セント未満)。
「確認」をタップし、Face IDなどで承認すれば取り消し完了です。

取り消しにもガス代がかかりますが、金額はわずかです。「資産が抜かれるリスクを数円で消せる保険」と考えると分かりやすいでしょう。

方法2|revoke.cashで取り消す(補足)

Rabbyで見つからない承認や、より細かく確認したい場合は、定番サービスのrevoke.cashが便利です。多くのチェーンの承認をまとめて確認できます。

STEP
ブラウザでrevoke.cashを開く
スマホブラウザでrevoke.cashのトップページを開いた画面

スマホのブラウザで「revoke.cash」を開き、右上のメニューを開きます。
必ずURLが revoke.cash か確認してください。偽サイトに接続すると逆に危険です。

STEP
「ウォレットを接続する」を選ぶ
revoke.cashのメニューでウォレットを接続するを選ぶ

メニューの中から「ウォレットを接続する」をタップします。

STEP
一覧から「Rabby」を選ぶ
ウォレット一覧で検索してRabbyを選ぶ画面

ウォレットの一覧が出ます。
検索欄に「Rabby」と入れると早く、表示された「Rabby」をタップします。

STEP
Rabbyを開いて接続を許可する
Rabby Walletで開きますかのダイアログで開くを押す

「”Rabby Wallet”で開きますか?」と出たら「開く」をタップします。
Rabby側で接続を承認すると、revoke.cashにウォレットがつながります。

STEP
チェーンを「Arbitrum」に切り替える
revoke.cashでチェーン選択からArbitrumを選ぶ

右上のチェーン選択から、確認したいネットワークを選びます。
今回はARBの承認なので「Arbitrum」に切り替えます。

STEP
取り消したい承認にチェックを入れる
revoke.cashのArbitrum承認一覧で無制限のARB承認を選ぶ

承認の一覧が表示されます。「承認総数」と「リスクがある総価値」も確認できます。

取り消したい行のチェックを入れます。例では「無制限」のARBが対象です。

STEP
Rabbyを開いて署名に進む
revoke.cashからRabby Walletで開きますかのダイアログで開くを押す

取り消しを進めると、再び「”Rabby Wallet”で開きますか?」と出ます。
「開く」をタップしてRabbyに移ります。

STEP
Rabbyで内容を確認して署名する
Rabbyの署名画面でトークン承認の取り消し内容を確認して署名

Rabbyの確認画面に、チェーン・トークン・取り消す相手・ガス代が出ます。
接続先がrevoke.cashで、取り消す内容が合っているかを見てから「署名」します。

STEP
承認総数が減ったことを確認する
revoke.cashで取り消し後に承認総数が減った画面

署名が通ると、一覧の「承認総数」が1つ減ります。
これでその承認は取り消され、相手はトークンを動かせなくなりました。

revoke.cashは便利ですが、外部サイトにウォレットを接続する点はRabby内蔵より一手間増えます。普段の閲覧はRabby、見つからないときだけrevoke.cash、という使い分けがおすすめです。

署名詐欺の主な手口を知る

承認の閲覧と並んで大切なのが、これからの署名で詐欺に引っかからないことです。手口を知っておくだけで、引っかかる確率は大きく下がります。

署名詐欺の多くは、「中身を読まずに署名させる」ことを狙っています。代表的な手口を3つ押さえておきましょう。

手口1|permit・Permit2のオフチェーン署名

permit(パーミット)やPermit2は、ガス代なしで承認を与えられる便利な仕組みです。一方で、これを悪用した詐欺が増えています。

怖いのは、ガス代のかからない「ただの署名」に見えても、その実態がトークンの引き出し許可になっている点です。取引(トランザクション)ではないため、軽い気持ちで署名してしまいやすいのです。

署名画面に見慣れない相手や金額、長い有効期限が表示されていたら要注意です。
意味の分からない署名は、押さずに閉じるのが正解です。

手口2|eth_signなどのブラインド署名

ブラインド署名とは、何に署名しているのか分からないまま署名してしまう状態です。とくに「eth_sign」という古い署名要求は、白紙の小切手にサインするようなものとされ、非常に危険です。

正規のサービスがeth_signを求めることはほとんどありません。表示が文字化けのように読めない、何の操作か説明がない署名は、詐欺を疑ってください。

Rabbyはこうした危険な署名に警告を出してくれます。その警告が出たら、内容を確認できるまで進めないことが大切です。

手口3|偽サイト・アドレスポイズニング

本物そっくりの偽サイトに接続させ、承認や署名を奪う手口も定番です。検索結果の広告や、SNS・DMのリンクから誘導されるケースが多くあります。

もう1つ多いのがアドレスポイズニングです。過去の送金履歴に、自分のアドレスと先頭・末尾がそっくりな偽アドレスを紛れ込ませ、履歴からのコピペで誤送金させる手口です。

対策はシンプルです。
サイトはブックマークから開き、送金先は履歴ではなく登録済みアドレスから選ぶ。これだけで多くの被害を防げます。

署名する前のチェックリスト(Rabbyの事前表示を読む)

Rabbyの強みは、署名する前に「このあと自分の資産がどう動くか」を表示してくれる点です。この事前表示を読む習慣が、最後の砦になります。

署名や承認のボタンを押す前に、Rabbyの確認画面で次の点を見比べてください。1つでも引っかかったら、いったん止めるのが安全です。

  • 接続しているサイトのURLが正しいか(ブックマークから開いたか)
  • 承認額が「無制限」になっていないか(必要なら必要な額だけに変更)
  • 自分の資産が減る表示になっていないか(受け取るはずが、出ていく内容ではないか)
  • Rabbyが警告を出していないか
  • 内容の意味が自分で説明できるか(説明できないなら押さない)

承認・署名で絶対にやってはいけないこと

やってはいけないこと
  • 内容を読まずに承認・署名を押す
  • 意味の分からない署名(eth_signなど)を実行する
  • 広告やDMのリンクからサイトを開いて接続する
  • 使い終わった承認を取り消さずに放置する
  • 大きな資産を、承認だらけの普段使いウォレットに置きっぱなしにする

とくに大切なのが、最後の1点です。
長期保管の資産は、dAppに一切つながない別のウォレットに分けておくと、承認経由のリスクから切り離せます。

よくある質問

承認(approve)はそもそも必要なものですか?

はい。スワップや預け入れなど、サービスにトークンを動かしてもらう操作には承認が必要です。問題なのは承認そのものではなく、不要になった承認を放置することです。

承認を取り消すと、預けている資産も引き出されますか?

いいえ。取り消すのは「動かしてよい」という許可だけで、ウォレット内の資産はそのまま残ります。必要になれば、また承認すれば使えます。

どれくらいの頻度で閲覧すればいいですか?

目安は月に1回ほど、または新しいサービスをまとめて使った後です。一度きりの操作で使ったサービスは、その都度取り消しておくとさらに安心です。

取り消し(Revoke)にお金はかかりますか?

1件ごとに少額のガス代がかかります。金額はチェーンによりますが、Arbitrumなど手数料の安いネットワークなら数円程度で済みます。

ガス代のかからない「署名」なら安全ですか?

いいえ。permitやPermit2のように、ガス代のない署名でも資産の引き出し許可になることがあります。ガス代の有無で安全性は判断できません。中身を必ず確認してください。

RabbyとMetaMaskなど、複数ウォレットの承認も確認できますか?

承認はウォレットのアドレスごとに紐づきます。確認したいアドレスをRabbyやrevoke.cashで開けば、そのアドレスの承認を一覧で確認・取り消しできます。

すでに資産を抜かれたかも、と思ったらどうすればいいですか?

まず関係しそうな承認をすべて取り消し、残った資産を新しい安全なウォレットへ移してください。元のウォレットは使うのをやめるのが安全です。

承認を全部取り消せば、もう詐欺に遭いませんか?

承認の閲覧はリスクを大きく減らしますが、ゼロにはできません。これからの署名で中身を読むこと、サイトをブックマークから開くこともセットで続けることが大切です。

まとめ

承認の閲覧と署名の確認は、地味ですが、自分の資産を自分で守るための基本動作です。一度やり方を覚えれば、あとは定期的に繰り返すだけです。

  • 不要な承認はRabbyで閲覧して取り消す。月1回が目安
  • ガス代のない署名でも資産は抜ける。中身を読んでから押す
  • サイトはブックマークから、送金先は登録済みアドレスから選ぶ

安全に承認を管理できるようになったら、いよいよHYPEやHyperliquidに触れていく段階です。次は実際の取引画面の歩き方を、別の記事で解説します。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品やサービスの利用を推奨するものではありません。暗号資産の管理・取引はご自身の責任で行ってください。

本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本割れの可能性があります。記載の数値は確認時点のものです。

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